カセットデッキ Lo-D D-9修理 A

 2009年に久しぶりにメンテしようとカバーを開け見てみるとひどい状態になっていました。フライホイールベルトはドロドロに、

カウンターベルトとリール用ベルトは伸びきっており、更に具合の悪いことに右側キャプスタンの軸を受ける部分の前後に

付いている真鍮製のリングが外れてしまいました。ガタが大きく補修が難しいのでそのまま放置していました

  外れた真鍮製のリング  表側、裏側共に外れてしまいました
 2014年1月再度修理にチャレンジ。ところが録再ヘッドのテープガイドに深いキズを発見。さらに消去ヘッドに亀裂があり触れたところ
崩れてしまいました。困っているところに神様が出現!!「ろでぃすとの家」管理人様よりメカを提供していただきました。・・・多謝
 @あらかじめ、いただいたメカを分解。
A本体からメカを外した際、線材をインシュロックで止めておくと断線せずにすみます。
 メカを分解します。ネジは外した部品の傍に置くと再組み立ての際、間違えなくてすみます。
 B  B→Eの順で分解します。  Cギアは外す前に位置の確認。
 (位置を間違えるとヘッドが上がりません)
 D
 E リールブレーキ用金具がサビています。サンドペーパーで処理。
  ブレーキ用のゴムが劣化しています。30年前の製品なので仕方ないです。
 F下側のプランジャに付いているゴムに亀裂があるので交換。
G軸受のメタルが外れている(写真左)だけでなく、クラックが入っており力を少し加えただけで砕けてしまいました。(写真中央)
頂いたメカ(写真右)の軸受のみ移植しました。
Hグリスアップしながら元通りに組み立てます。 

メカ正面側

ダンパーを外した後、カセットホルダーを外します。ピンチローラーその他を外します。
中央付近に小さなボールが入っています。紛失に注意。

カセットドアの開きが速いのでダンパー内部のOリングを交換しました。ドアが開く速さは若干ですがネジで調整できます。
左回しで速く、右回しで遅くなります。ネジを緩め過ぎるとネジが落下します。締めすぎも注意です。

 OリングはNOKの1A-SS5を使用しました。テープによってはスムーズにドアが開きません。径が1mmです。もう少し細いものが手に入ると良いのですが。Oリング外側には少量のTAMIYAセラグリスHGを塗布しました。
 バラしたついでにリールも外し、シャフトに注油しました。(極少量です・・・量が多いとリール内のフェルトに浸み込みトルク等に
影響します)オイルは鉄道模型用のKATOユニクリーンオイルを使いました。モールド製ギアに使用できるものなので安心です。
 ダイキャスト製のヘッド台から録再ヘッドと消去ヘッドを外します。(再生で3dB、録音で6dB程悪化していました。テープ摺動ノイズも大きく、摩耗と思われます)
頂いたメカのヘッドを使うことにします。

各部のグリスアップをしながら元通りに組み立てます。



*使用したグリス、オイルを下記に示しますが、ベストではありません。
金属と金属の摺動部には(株)エーゼットのホワイトグリース(品番700)・・・これは金属専用です。
金属とモールドの摺動部にはTAMIYAのセラグリスHG・・・これは主にモールド用です。
モールドと金属の回転部にはKATOユニクリーンオイル・・・これはモールド可です。
金属と金属の回転部にはモーターオイル10W-30

*ベルトは下記のものを使用しました。(この寸法には正確性がありません)*
フライホイールベルト(平ベルト)   w5xφ70x0.5t
アイドラーベルト(角ベルト)     φ45x1.2
カウンターベルト(角ベルト)     φ55x1.2

ヘッドの取り付けはキズ防止のためできるだけ最後に。